luna-suzukiのブログ

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協働ロボット - Universal Robots

従来、産業用ロボットは、人と同じ空間での協働作業、協調作業を行うことができませんでした。産業用ロボットは非常に高速に稼働し、かつ甚大な力を発揮します。そのため、人がロボットの可動範囲内に不用意に近づいてしまえば、深刻な事故につながりかねませんでした。
一般的な産業用ロボットを安全に稼働させるためには、安全柵を設置し、人の作業エリアとの隔離が必須であると労働安全衛生規則で定められています。


産業用ロボットの導入に際しては、ロボット本体のサイズと併せ安全柵を設置するエリアも加味しなければならず、工場内の作業空間が限られている、または生産ラインが小規模である場合、導入が困難でした。そのため、国土が狭い日本、特に地価が高いために敷地が狭くなりがちな都市部近辺の工場では、占有床面積がネックになることもありました。
一方、協働ロボットは、人がそばにいるときは安全な速度と力で動作し、万が一人と接触した場合は安全に停止します。人がいない場合には、産業用ロボットに近い速度で動作できることから、その導入においては、厚生労働省が定めるリスクアセスメントを実施した上で、安全柵の設置が不要になります。つまり、安全柵が要らず、かつ機体自体もコンパクトかつ軽量であるため、限られた作業空間や小規模な生産ラインにも導入可能です。
今、 協働ロボットが注目され、中小企業でも導入が進んでいるのは、主に以下の背景によるものです。
安全性の向上、直感的な操作が可能になった、インテグレーションの容易さ。


産業用ロボットの利用にあたっては柵を設置するという法規制がありました。しかし、2013年の規制緩和によって、国際標準化機構(ISO)の定める産業用ロボットの規格に準じた措置を講じるなどの条件を満たすことで、柵を設置せずに作業者と同じ空間で作業を行うことが可能となっています。
また、リスク評価法が整備されるとともに、ロボットメーカーの安全性を確保するための技術も向上しました。
さらに、従来の産業用ロボットはプログラミングや周辺機器の設置といったインテグレーションの作業負担が導入障壁となっていましたが、技術革新によってこの手間が軽減されています。



協働ロボット協働ロボットのメリット、何故協働ロボットを使用するのかはタブレット端末や直接アームを操作するダイレクトティーチングなど、直感的な操作が可能になったことで、ロボット操作に不慣れな作業者でも取り扱いやすくなりました。
製造現場への協働ロボットの導入により、製品品質の均一化、生産性向上と人件費削減というメリットがあるものの、ティーチング人材の確保は不可欠です。
人による作業では、作業者の熟練度や癖などの属人性によって、品質のバラツキが多かれ少なかれ生じてしまいます。一方協働ロボットによる作業は作業精度が高く、製品品質が均一化されることがメリットです。
また、従来は人間が行っていた作業を協働ロボットが代替することによって、作業スピードが上がるとともに、作業者を別の業務に充てられることから、生産性向上と人件費削減にもつながります。
一方で、協働ロボットの導入にはティーチングと呼ばれるロボットの手であるマニピュレータの動作を設定するためのプログラミング作業が不可欠です。
こうした作業負担は従来のロボットと比較して軽減されていますが、ゼロになったわけではありません。ティーチングができる新たな人材を雇用する、あるいは育成するなど、人材の確保は引き続きの課題として残っています。